収納アドバイザー楽歩のカタヅク×パラダイム~効率化で幸福化~
脳性まひで収納アドバイザーの楽歩から提案!最小限の空間に最大限のものを置き、かつ作業スペースも確保する、家の「効率的なコックピット化」を目指してみませんか?<br />ハンディのある人もない人も、ラクに暮らせて幸せになる、そんなお片付けの考え方、お話ししますわ!

《カタヅク×パラダイム》時短のために時間を掛けて時間と向き合うのですわ

時短のために時間を掛けて時間と向き合うのですわ|みんらぼ

みなさま、ごきげんよう〜

だんだん、秋も深まり、超〜低血圧の私は、お布団から出られない季節になってきましたわ。
寒いと脳性まひの体は余計に動いてくれず、ほんまに冬眠したろか?!と本気で毎朝思いつつ、「かーもんべーびぃアメリカ!ひゅひゅ!!」と、やけくそ気味にいいねダンスで気分を盛り上げ、お布団からキッチンへ辿り着き、どうにか朝活を勤しんでおります♪

脳性まひ者というのは誠に厄介で、どこまでも非効率になるようにプログラミングされてるんか?っていうぐらい、効率的に動こうとすればするほど時間は、通常の2倍、3倍とかかってしまいます。
ほんまなんですって!!挙げ句、怪我するっていうおまけ付き♡

しかし、そうと知っていても私は「はいそうですか!ほなまぁ、ゆっくりのんびり参ります〜」というような懐の深さは持ち合わせておりませんの。
待てない関西人の代表、超いらちなのですから!!!

それだけに、これまで幾度、自分で自分を急き立てて、作業効率をどん底まで追いつめた挙げ句、怪我をするというアホなことを、何回やってきたことか!!
アタシ、たぶん最も脳性まひに向いてないオンナやと思いますわ!ホホホ〜

時間は、こちらから追いかけるものでしてよ

そんなアホな私でも、不向きな脳性まひも40年もやってりゃ、なんらかのコツはつかめてくるもんなんですよ!

それが、ずばり、自分の行動時間を把握すること! 
それも、大雑把にではなく、細かくリサーチしておくことです。
寝ても覚めても縛られる時間に、追いかけられるのではなく、追いかけてあげればいいのね!

たとえば、
・お皿洗いに何分
・食器を拭き上げて、食器棚にしまうのに何分
・洗濯物を干すのに何分…

ということがわかっていれば、出かけるまであと15分しかないけれど、アレとコレができるな!と、お出かけ間際のギリギリまで時間が使えます。
それでいて所要時間を把握しているんですから焦りませんし、計算された時間軸で動いているので、作業効率も落ちません。

大事なことは、脳性まひ者というのは、日によってスキップ出来そうな日もあれば、あれ?どうやって歩くんやっけ?と、一歩を出すのに、ものすごーく考え込まないとできないときや、とにかくバランスが取れない日、不随意運動炸裂dayなどがあるということ。
それぞれの体調によって当然、所要時間は変わってきますので、「調子がいいとき」「悪いとき」「普通のとき」の3パターンぐらいの作業時間をそれぞれ把握しておく必要があります。

ゲッ!? めんどくさっ!といってしまえば、それまでですが、これは環境を整える整理収納と似ているのです。
最初に思い切ってタイムを計ってしまえば、その後の生活は見違えるほどラクになり、作業効率が落ちない分、時間を有効的に使えて、結果的に時短になると思うんです。

ん?でもさ… タイムを計るって思うだけで、脳性まひ者は作業効率落ちちゃうんじゃないの?ですって???
その通りですわね!でも大丈夫。そのうち慣れますわ!!
だって早さを競うためのものではないですもの。
あくまで自分用のデータなんだから、だんだん平常心で計れるようになってきます。
さらにベテランの域になってくると「いま計っていることを意識してるから、通常の何秒のタイムロスだわ…」と逆算できるようになり、より正確な所要時間が割り出せるようになってきます。
だからとにかくLet’s try なんです!!!

時間を把握して適切に並べると、人生って加速するのよ!

繰り返しになっちゃうけど、本当に、生活動作の全ての時間を把握できてるか否かは大きいですわ。
たとえば「靴を履く時間」ひとつとっても、

・紐靴のもの
・靴紐でないもの
・ハイカット
・普通のスニーカー

でも、所要時間は全然違ってくるの。
そういう一つ一つを自分で把握しておくと、いらちな上に1秒も無駄にしたくない脳性まひ者に不向きな私でも、なんとか自分なりのベストな効率の良さで、暮らしが回っていくのであります!

時速1km以下の「亀か楽歩か」の歩行スピードで、今日も詰め込みすぎるぐらいの予定をこなすワタクシに騙されたと思って、まずは1週間タイム計りに勤しんでみて〜 (*>艸<) 時短を意識するだけで、どんどんタイムが縮められるであろう健常者の皆さまにとっても、この所要時間を把握する大作戦は、限られた24時間を有効に、そして人生トコトン楽しみ尽くすのにも有効そうな気がしますわ〜♪♪♪     車いすにのって社交ダンスの衣装に身を包んだ楽歩さんの画像

これが時間を計りまくって、人生を加速させまくった脳性まひ者のなれの果てよ。

この記事を書いた人

楽歩
楽歩
1978年京都生まれ。生後2週間で食道手術後に心肺停止状態に陥り脳性まひとなる。
7歳の頃から6年間ドーマン法(脳障害児が健常になり、健常児がより優れた能力を身につけるようにするためのプログラム)の訓練を実践。
18歳で働き始めると同時に水泳やドラム、英会話などの稽古ごとにのめり込み、語学留学で日本を飛び出すなど、活動の幅を広げる。
22歳で結婚、出産を経て、32歳の時に自身の半生を綴った自伝「三重苦楽」を出版。現在も自宅不在の不良主婦・母として、やりたいことに向かって日本中を飛び回っている。