お題1:「街での車いすにまつわる困りごと・要望」聞きました

こんにちは、ずずこです。

お題deアンケート第1回目のお題は「街での車いすにまつわる困りごと」。
ふだん街で車いすに乗ることがある、車いすの人をを介助することがある、車いすの人を見かけることがあるなど、それぞれの立場の声が集まりました。

私も歩行障害がありますが、街なかの移動に車いすを使うことはありません。
そうした立場から、今回のお題についてのみなさんの声をレポートします。

1)車椅子に乗っていて困ること・要望:
まだまだあるバリア。
せっかくの設備がイマイチ「便利」「快適」につながらない

「自分が車いすに乗っていて困ること」としてまず目に着いたのは、歩道・道路などに「段差があってのぼれない」、建物・施設が「狭くて入れない」など、車いすでの利用が想定されていない場所があるということでした。

道路のちょっとした段差でハマった。転倒した後はちょっとした段差も怖い!
(女性/30代/車いすを使うことも使わないこともある)
スーパー。車いすが幅をとり、混雑の中ではなかなか前に進めない。
(男性/30代/ほぼ車いすを使う)

「バリアフリー」が叫ばれる世の中ですが、まだまだ不十分といわざるを得ないということですね。

その「バリアフリー」を目指したと思われる工夫や設備が、車いすユーザーにとって必ずしも「便利」「快適」なものになっていないものがある、ということもわかりました。
これは車いすに乗らない私としてはびっくりしたことでした。

歩道の傾斜で車いすが斜めになって身体がもっていかれるので身体を斜めにする。スロープで車いすが転倒しそうになるので、前傾姿勢でスロープをのぼる。
(男性/30代/ほぼ車いすを使う)
古いエレベーターなど、間口は通れても奥行きが足りないと方向転換できない。立てる私は車椅子の後ろにまわり(いわゆるセルフ介助)、車椅子を持ち上げ、回転させるための余地もないので力ずくで横向けに入れ、車椅子にもたれかかってめいいっぱいの爪先立ちになる。ようやく扉が閉まり、到達階でも、同様に、扉が閉まらない間に、力ずくで方向転換させる。このようなことを昇り降り、入るとき出るときの4回は繰り返さないといけない。それでもエレベータがあることには感謝です
(女性/40代/車いすを使うことも使わないこともある)

スロープもエレベータも、ないよりあったほうがいいのだけれど、あればすむというわけでもない。
施設・設備を作る側の方には、それが実際に使われたときに不便がないかどうかまで、ぜひ考えてほしいものです。

2)車いすを介助していて困ること・要望:
安全のためのルールが不便を生む?!
車いすを使う人の事情、気持ち、もう少しだけわかってほしい

「車いすを介助していて困ること」としては、車いすに乗っている人と同じように「道路の傾斜などで車いすがコントロールできなくて怖い」「バリアフリー施設の場所がわからない」など、道路や施設などハード面の不備を指摘する声が聞かれました。

体重が重い人の介助をしていましたが、上り坂、下り坂共にうまくコントロールできず困りました。高齢者介護のレンタルだったのですが昨今の車イスはギア付きなど進化しているのでしょうか?
(女性/50代/車いすの人を介助することがある)
車椅子の知人とオフィスビルから地下の駅のホームを目指したときに、車椅子でたどりつけるルートが分からずに難儀しました。地図を見ても載ってないし、ビルに入ってたコンビニの店員さんも分かんないし
(男性/30代/車いすの人を介助することがある)

こうしたハード面の不便とは別に目立ったのが、ルールや人の気持ちに関する困りごとでした。
例えば、「公共機関で受けられるはずのサポートが受けられなかった」体験として、こんな声がありました。

バスに乗車しようとした際、先に車椅子の人が乗っていたことで、運転手に「安全上、車椅子の方はお一人に限りますので」と乗車を断られた。先に乗っていた人は手動の車椅子で折りたたむ事が可能で、ご本人も「折りたためるし歩行は可能なので、普通の席に移動する」と言ってくださったが、運転手は「安全上、問題があるので」と聞いてくれず、結局乗車できなかった。地方なので、バスも30~40分間隔なので非常に困った。「安全上」というのも分かるが、臨機応変な対応はないものだろうか
(女性/40代/車いすの人を介助することがある)

安全のために作られたルールとそこに起因する不便。
どちらが良いとか悪いとか即座の判断はできかねるとしても、スロープやエレベータの話しと同じように「ルールを作って終わり」ではなく、こまめに利用者の声を聴いてルールを見直していく必要があるとはいえそうです。

また、「車いす優先エレベータに、車いすを使っていない人がいっぱいで乗れない」という声も聞かれました。
これからまずます高齢化が進み、車いすユーザーも、足腰に不安のある人も同時に増えていくと考えると、対策は必須ですね。

もうひとつ、なるほどと思ったのはこんな意見。

空港で。荷物を運ぶキャリアと、車椅子を同時に押せない。荷物の積める車椅子があるといい
(男性/60代以上/車椅子は使わない, 車いすの人を介助することがある)

車いすに乗っている人はどうやって荷物を運んでいるのか、まったく知らない、考えてもいなかった自分に気づきました。

3)車いすを見かけて困ること・要望:
「車椅子が怖い」ってこともある?!
車いすに乗る人、乗らない人、どちらにも快適なルールがあったら

自分は車いすに乗ったり、介助はせず、街で見かけたときの困りごと・要望としては、「車いすと歩行者が接触しそうで危険」というものがありました。

人混み、歩道:歩行者をぬうようにジグザグに走行している電動車イスがいて、危険に感じられた
(男性/50代/車いすは使わない)
前から電動車いすがそれなりのスピードで走ってくるのが見えて、どちらかに避けたいけどどうしたらいいかわからなかった。自分は杖をついていて車いすがすぐそばまできてから避けるのが難しい。たとえば「右側通行」とか、電動車いすは人と対面したら必ず「一旦停止」するとか、なんらかのルールがあるといい
(女性/50代/車いすは使わない, 杖歩行)

車いすは道路交通法上「歩行者」と見なされるそうです。
最近よく見かけるシニアカーも同じ「歩行者」。
つまりは、手こぎの車いす、電動車いす、シニアカー、杖をつく人、乳母車を押す人などなど、いろんな移動速度の人が「歩行者」として同じ歩道・道路を移動しているということ。
しかも、今後はそれがさらに多様化していくのはまちがいありません。
とすれば、そこにはなんらかのルールや今以上の配慮が必要になるのは当然ですね。

車いすを使う人と使わない人が、共にもっと暮らしやすくなるにためのヒントになりそうな声も聞かれました。

車いす用(ベビーカー)スペース がある車両を増やしてほしい
(女性/20代/車いすの人を介助することがある)
飲食店に勤務しています。車椅子の方もたまにお見かけしますが、満足な対応ができていないと感じています。車椅子の方も自分が特別扱いされることを望んではおられないと思いますし、飲食店に求めている最低限の配慮というものがあれば教えていただきたいです
(男性/30代/車椅子は使わない)

まとめ:
車いすに乗る人、乗らない人、まずはお互いを知るところから

車いすを介助する方からの声に、「車いすが邪魔者扱いされた」という声がありました。

子供用の車椅子(バギータイプ)の認知が低く、邪魔と言われるならまだしも、子供が乗っている車椅子を蹴られたことも。
(女性/40代/子供が車いす使用)

子ども用の車いすを知らない人からは「ベビーカーは邪魔だからたたみなさい」「そんな大きな子供は歩かせなさい」と注意されることも多いのだそうです。
子ども用の車いすがどのようなものか理解が広がっていれば、こんな悲しいことは起こらないかも知れません。

車いすを使う人、使わない人どちらにも快適な世の中を考えていくことの手始めは、まずお互いを知ること。

今回集まった声が、そんなことのきっかけになったら、と思います。


写真は子供用車いす
日進医療器:http://www.wheel-chair.jp/kids_pigleo_plus.php

【アンケート概要】

○ 調査方法:「Googleアンケート」にて実施
○ 調査期間:2018年10月7日~2018年10月11日
○ 調査対象:サイト「みんなの世の中研究所」閲覧者
○ 回答数 :23件
男性10件・女性13件
20代~60代

※ 本調査に関するお問い合わせは「みんなの世の中研究所」まで

この記事を書いた人

代橋亭ずずこ (Zuzuko Diversity)みんなの世の中研究所・所長
代橋亭ずずこ (Zuzuko Diversity)みんなの世の中研究所・所長
本名・小梨由美。脳性麻痺による上肢・下肢の機能障害あり。身体障害者手帳保有。生来歩行障害はあったが原因がわからず「足の悪い健常者」との自覚で育つ。2016年、思いがけなく脳性麻痺の診断を拝受。「なにそれ?」の疑問ととまどいの答えを探してネットサーフィンするなかで、たくさんの障害のある友人たちに出会う。それぞれの人が泣いたり笑ったり、のたうち回ったりしながらも、自分なりの知恵と工夫で暮らす姿に共感を深め、「みんなの世の中研究所」発足を決意する。趣味は朗読。最近はまっているのは「しいたけ占い」。東京・世田谷生まれ。(有)ジャコ代表取締役。マーケティング・プランナー。消費生活アドバイザー。

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