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アラサー男子!身体障害者手帳1級を取得するまでのものがたり

脳性麻痺とは不思議なもので、年齢とともに状態が変化していくのである。
僕の場合、学生時代は杖なしで歩けていたのにも関わらず、アラサーの現在では電動車いすをブイブイいわせるまでに身体の状態が変貌している。おそらく、学生時代の友人には今の僕の姿は想像できないであろう。
とはいえ、人間というものは適応能力に優れた生きものであり身体の状態が変わったからといって中身に変化はないのである。

その中身に変化のないアラサーの僕があるとき思った。
「徐々に歩いている途中で銅像のように固まってしまうことが増えてきた。転ぶことが増えてきた。電動車いすが欲しい!」

そんな僕の想いとは裏腹に、そのときの僕の身体障害者手帳は4級。
これでは、電動車いすはおろか手動車いすでさえ、自費購入するしかないのである。
電動車いすとは、自費で購入できる代物ではない!僕が現在ブイブイいわせている電動車いすは定価であれば55万円する。安い自動車が買えるほどの価格である。

そこで、僕は当時握りしめていた、3歳の頃の僕の映った身体障害者手帳を手放し、新しい手帳を手に入れる旅に出ることとした。
今回は、そんな僕のものがたりである。

◆◆◆

あれは忘れもしない、数年前の七夕である。
半年ぶりの定期診察に胸をワクワクさせて、乙姫様に会うかのような気分で、とある病院に向かった。(実際に会うのはお爺ちゃん医師であるが・・・)
そして、僕は医師に訴えた。
「電動車いすが欲しい」
と。すると主治医が
「もっさん、手帳は何級だい?」
と聞くので、4級だと答える。

そこでの結論は、「まずは手帳の等級を見直そう」ということであった。

そして、そのあとの流れを決めた。
異例であるが診察は翌月に行う。それまでに、役所の福祉課に行き、「身体障害者手帳用の診断書の様式」とやらをもらわないといけないらしい。何しろ、今までにやったことがない手探り状態だ。とりあえず、福祉課へ行こう!

福祉課に行って、魔法の呪文のような様式の名前を言うと一枚の紙が渡された。なるほど、これは役所から紙を引き出す呪文だったのねと一人で納得した記憶のみが断片的にある。

時は流れ、翌月の診察日だ。
まずは歩けるかの診断。今回、僕の場合は補装具を使用せずには歩けないことを医師が知っていたので、省略し2級となった。
次に、手がうまく動かせるかの診断。診断方法は、事務用の黒い綴り紐を制限時間内に何本結べるか、である。診断の結果、2級となった。
身体障害者手帳の場合、複数の障害がある場合には、1級繰り上がるという謎の仕組みが存在する。その結果僕はアラサーにして、身体障害手帳1級の障害者の称号を手に入れる権利を与えられたのである。

しかし、ここで終わりでなく、今度はその権利を行使しにいかないといけないらしい。
そのために僕は医師からもらった診断書を役所の福祉課へ持っていった。
今回は即日診断書が交付されたので、診断日の翌日には役所に提出したが、とても希なケースであるらしい。通常は後日に病院に取りに行かないといけないのだとか。

福祉課に行き、診断書を提出すると
「今回は簡単な方の手続きなので、おそらく1ヶ月半~2ヶ月で審査が終わると思うので、連絡します」
ということであった。「簡単な手続きに1ヶ月半(ブツブツ)」と言いたい気持ちをグッと胸にこらえて、笑顔でありがとうございますと言えた自分を賞賛したい。

そして、予告通り1ヶ月半~2ヶ月経った時期に連絡がきた。
「手帳ができたので、取りに来てください」
再び、福祉課の窓口に行くと、見事アラサー男子の写真に生まれ変わった新しい身体障害者手帳が運ばれてきた。
古い身体障害者手帳は返納しないといけないということであった。しかし、記念にと無理を言って、写真の部分だけ切り取り、持ち帰らせてもらった。

こうして、名実ともに身体障害者手帳1級のもっさんが誕生したのである。
身体障害者手帳1級というと寝たきり障害者かと思っていたが、僕が今そうであるように電動車椅子をブイブイ言わせたり、もっすとゆうさくのようにワイワイガヤガヤと話せるわけであり、必ずしも寝たきりではないということがわかった。

最後に、今回行った場所を整理する。
1.診察(1回目)
2.役所の福祉課(診断書の様式をもらいに)
3.診察(診断書を書くための診断)
4.役所の福祉課(診断書の提出)
5.役所の福祉課(手帳の受け取り)
これだけ役所の福祉課に行けば、顔を覚えられるはずである。

そしてかかった期間はざっと2~3ヶ月。1回目の診察の前の考えの整理など含めると4ヶ月以上を費やした。

◆◆◆

今回は、身体障害者手帳の更新をするまでを記載した。今度は、どのように車いすを手に入れたかも記載したいと思う。

この記事を書いた人

もっさん
もっさん
もっさんです。アラサー男子のひとり暮らし障害当事者です。
手と足に障害があります。歩行障害の関係で、普段は補装具(短下肢補装具)、杖、電動車椅子を併用&使い分けして生活しています。
仕事の日は補装具と電動車椅子、休みの日は体調が良ければ補装具と杖という感じで、自分の体調と体力に合わせて、使い分けています。
ひとり暮らしするうえで、色々と情報を得てきたので、そこら辺の知識は多いです。
得意テーマは、引越しなどの住関係、鉄道などの移動関係、行政の手続き関係です。