帰省ラッシュに突撃!駅で車椅子を借りて無事に帰省成功!
どうも、「もっさん」です!
脳性麻痺、というと「体がうまく動かせないもの」的に、大ざっぱに捉えられがちですが、その症状は風邪と同じくらいか、それ以上にバリエーション豊か。
人によって動かしづらい部位は違うし、それによって発生する二次障害もあるし、その日の体調で動かせる度合いが全然違うし、一言では語りきれない深遠なる世界なのです。
僕の脳性麻痺は概ね全身にキてますが、一番不自由度が高いのは足。
自分で意識していなくても勝手に力が入ってしまうので、歩こうとすると体が左右に大きく揺れてしまうのです。
今でこそ電動車椅子でブイブイいわせてますが、少し前までは杖を使ってせっせと歩いていました。
で、そんな杖歩行状態で歩いていて一番怖いのが駅。
構内は混雑していて歩きにくいし、
線路に落ちるんじゃないかと怖くなるし、
なんてことを考えたら、ホームの上で身体が強ばって固まって、動きにくくなります。
特にホーム階段の脇の通路なんか、幅が非常に狭いでしょ?
そういうところは不安感がより大きくなって、さらにさらに体が動きにくくなるんです。
そんな場所でほかの人が電車を待っていたときなどは、モー大変
そんなことが日常茶飯事だから、
「駅では車椅子や視覚障害の方の介助はよく聞くし、見るけれど、どうせ杖歩行だと、駅員さんの介助はお願いできないんでしょ~。悲しいかな、そういう宿命なのね。もうグレてやる~(笑)」
と思っていました。
そんな話を知人にしたら、
知人「駅で車椅子貸してもらったら?」
僕「どうやったらできるの?」
知人「知らん」
僕「(絶句)」
2ターン目で「オイオイ」と突っ込みたくなりましたが、こうなったら突撃!となりの晩御飯!ならぬ突撃!最寄りのJR!
意を決して駅で直接聞いてみたら、え、当たり前じゃん、みたいな顔で「できますよ」とのご回答。うれしいけど、ありがたいけど、なんか、ねえ。
とにもかくにも、せっかく見つけた便利なサービスです。
僕は地元から遠く離れた町で一人暮らしをしているので、新幹線に乗るタイミングで利用してみることにしました。
このサービスを利用するには「発車時刻の20分くらい前に改札に来て、直接頼んでください」ということでしたが、当日は混雑具合も心配だったので30分くらい前に到着するように行きました。
※車椅子は緊急用・急病人用も兼ねているので、予約はできません。埋まっていたら待つことになりますし、駅によって設置されている台数は異なります。
改札で「車椅子の貸出をお願いします」と依頼。
行き先を伝え、チケットを渡し、乗る列車と座席を伝えます。
後は車椅子が出てくるまでしばし待機。じっと立っていることも僕にとっては大変なことなので、パイプ椅子を出してくださった駅員さんの配慮が嬉しかった。
車椅子に乗ったら、僕はただ乗っているだけ。
駅員さんが押してくれるので駅構内が複雑で迷子になるなんて心配もないのです。
ホームでは駅員さんと「何時くらいが一番混むんですか?」とか、「僕は今日、田舎に帰るんですよ~」などと世間話をして楽しみながら、新幹線を待ちました。
新幹線がやって来たところで、嬉しい事件が。
この車椅子サービスを受ける人は、本来新幹線のドア前(ホーム上)で降りて自分で席まで行かないといけないのですが、なんと駅員さんの粋な計らいで、座席の真横まで車椅子で連れて行ってもらえたのです。
始発で、発車まで時間があったことも、ラッキーな誤算でした。
素敵な駅員さんとはそこでお別れ。
「さようなら~。迎えは車掌がくるからね。気をつけてね」と言って、車椅子を持って降りていきました。
故郷に向けて時速300キロで移動するアラサー男子と化して数時間。
言われたとおり目的の駅に着く直前に車掌さんが僕の座席にやってきました。
停車後は車掌さんに見守られながら、時には助けを借りながら、自分の足で降車します。
降りたホームには車椅子がすでに用意されており、乗り込んだところで車掌さんから駅員さんにバトンタッチ。
乗車した時と同じように、改札まで車椅子を押してもらいました。
そしてそして、さらに嬉しい大事件。
乗るはずだったエレベーターが混雑していたので、なんと駅の職員しか使用できないバックヤードのエレベーターに乗せてもらったのです。
鉄道好きの僕は、「おいおい、こんなところも入れるのかよ!」と車椅子の上でテンションMAXなのでした。
地元から帰ってくるときも同じ方法で介助を依頼。すると帰ってきた駅で
「あれっ、2~3日前に帰った人じゃない?楽しんできた?」
と、車椅子を持って出迎えてくれた駅員さんから声をかけられました。
※正確には5日前ですが(笑)
「あっ、そうです。あのときの方ですか」
とまた奇跡的(?)な再会!をしました。駅員さんが覚えてくれていたのです。こういったやり取りって嬉しいです。
ニュース映像でよく見る帰省ラッシュの中に、ひとり飛び込む障害者。
既存のサービスを使っただけなのに、聞いただけではビックリするようなことを平然と成し遂げることができました。
そうそう、帰省で東京駅を利用した時に、身障者専用の待合スペースに案内されたんですよ。
帰省ラッシュなのに空いてる~(笑)僕ってVIPだっけ?(笑)
友人・知人にこの話をすると、必ずといっていいほど「知らなかった~」と言われ、興味津々に聞かれます。
駅の車椅子の台数は限られてるし、あまり知られてしまうと、僕が使えなくなってしまうので、今回は内緒話で(笑)
この記事を書いた人
- もっさんです。アラサー男子のひとり暮らし障害当事者です。
手と足に障害があります。歩行障害の関係で、普段は補装具(短下肢補装具)、杖、電動車椅子を併用&使い分けして生活しています。
仕事の日は補装具と電動車椅子、休みの日は体調が良ければ補装具と杖という感じで、自分の体調と体力に合わせて、使い分けています。
ひとり暮らしするうえで、色々と情報を得てきたので、そこら辺の知識は多いです。
得意テーマは、引越しなどの住関係、鉄道などの移動関係、行政の手続き関係です。
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