赤い糸
悩ましき“結婚”
我々障害者にとって「結婚」とは一番の関心事で有り、
かつ一番悩み多き事だと思う。
吾もそうだった。
好いた子は居たが
相手にされない事が先に頭を過ぎり
諦めてしまう。
それを何度も何度も繰返すうちに、
吾は一生ひとりで暮らそう、
「赤い糸」なんか存在するわけ無いと思っていた。
余り物詰め合わせ
ある日、親の知合いで
世話焼きなおばさんが居て
お見合いの話を持って来たが
期近に何故かキャンセルになった。
やっぱり吾は女には縁が無いんだと思っていたら
もう一組同じようにキャンセルになったという事で
キャンセルになったもの同士のお見合いが成立した。
いわゆる余り物詰め合わせである。
吾も気乗りしなかったが
彼女も直前まで嫌がってたらしい。
ただ一つ救いは
彼女も障害を持ってる事で
対当になれる気がしたことだった。
「赤い糸」引っぱった
当日はお決まりのコースで、
お後は若い者同士でという事で
近くの公園の池端で
世間話から始まって
最初はお互いぎこちなかったが、
暫くすると何かに吸い寄せられる様に話が弾み、
気が付けばもう何時間も池端にいた。
お腹も空いたのでご飯を食べて
彼女を送って行った時には
夜もどっぷり暮れていて
家人は何か有ったのかと
心配していたらしい。
その時吾は「赤い糸」の存在を
認めざるを得なかった。
「赤い糸」、これかな、と思ったら
あなたも引っぱってみてください。
この記事を書いた人
- 1960年の高度成長期真っただ中に生まれ、障害が有るから人の2倍3倍頑張りなさいと育てられ現在に至る。
アテトーゼ型脳性麻痺2級保持者。
趣味はギターにパソコン(何台作製し分解したかわからない)、とアマチュア無線。
アマチュア無線はインターネット、携帯電話が普及した中で、どれだけ小さな出力でどれだけ遠くに電波を飛ばせるかに情熱を燃やすちょっと変わった人。
真夏に極寒の南極昭和基地と交信できたのは印象的だった。
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