ある日
嵐の夜に
昭和35年ある嵐の日の夜明け前。
ある小さな町の小さな産科で
二人の妊婦が出産間近の状態で刻を送っていた。
どちらも難産気味。
病院にいたのは、先生一人と新米の助産婦。
一人の妊婦が産気付き、
先生が対応に当たっている間に
もう一人も産気付き
新米の助産婦が対応にあたった。
運悪く助産婦さん側の子どもは
逆子の上にへその緒がクビに巻きつき出てこれない。
やっとの事で出て来たが
窒息で仮死状態であった。
他の妊婦の出産を終えた先生がやって来て脚を持ち、
頭を下に向けて背中をパシッ、パシッと何回か叩くと、
弱々しい声で泣き始めた。
生を得たのだった。(その子が吾である)
これからの人生
あれから今年で58年経つ。
その長い年月の間には、
あの刻背中を叩かなかって欲しかったと思う
ときも何度か有ったが今は違う。
吾がここに居るからこそ
下手くそながらもこのブログが書けるし、
仲間もたくさん出来たし、
良き妻、子供にも恵まれた。
生きていてからこそ出来る事だ。
吾も後2年したら
第一の人生を終わろうと思っている。
第二の人生は
第一の人生を支えて下さった方々に感謝しつつ、
家族、友人、仲間達と
笑顔が絶えない人生にして行きたいと思っている。
この記事を書いた人
- 1960年の高度成長期真っただ中に生まれ、障害が有るから人の2倍3倍頑張りなさいと育てられ現在に至る。
アテトーゼ型脳性麻痺2級保持者。
趣味はギターにパソコン(何台作製し分解したかわからない)、とアマチュア無線。
アマチュア無線はインターネット、携帯電話が普及した中で、どれだけ小さな出力でどれだけ遠くに電波を飛ばせるかに情熱を燃やすちょっと変わった人。
真夏に極寒の南極昭和基地と交信できたのは印象的だった。
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