【歩きづらい】車の昇降問題一挙解決!ベンチシートカーで縁石ギリギリに駐車
こんにちは、ゆうさくです。
移動することが困難な方々にとって、車はとても重要な移動手段。
車に乗るのだから、当然ほとんどの場合「目的地」があるもんです。
ただまぁ、例えばスーパーのお菓子売り場に自家用車で乗り付ける訳にもいかないので、車を駐めて、乗り降りをしないといけない。
時には、路上に車を駐めなければならない機会もあるでしょう。
そこには、段差、隙間、通行車両・・・移動の不自由度が高い人にとって、不安になる要素がたくさんあります。
そんなわけで今回は「車への乗り降り」に関するチエワザをご紹介します。
自分が運転手でも、歩道側から乗り降りできるように、ベンチシートタイプの車をチョイス
20年以上ハンドルを握り、地元京都でブイブイ言わせているベテランドライバーの楽歩さん。
脳性まひでちょっとした移動にも多くの体力や精神力を必要とする彼女にとって、車は生活になくてはならないパートナーです。
もちろん、スーパーへの買い物にも車を使います。
そんなときに日本の一般的な車は運転席が車道側にあるので、車道側から乗り降りしようとすると、素早く動くことの苦手な楽歩さんは非常に強い緊張に襲われるんだとか 。
そこで楽歩さん、こうひらめきました。
「ベンチシートタイプの車にしたらええやん」
※HONDAのN BOX(2017年生産終了)。なお、楽歩さんのN BOXとは別カラーです
※出典:HONDAの公式サイト
脳性まひの方には、「不安や緊張で、動作の不自由度が高くなる」という特徴が多く見られます。
時間が掛かっても、ひと手間増えても、安心と安全を重視した方が、体力と精神が節約できる。
そういうことの積み重ねで、一日が快適になる。
そんな発想で毎日乗る車を選ぶ。
とっても合理的ですよね。
車内の床と歩道がフルフラットになるよう、縁石ギリギリにビタッと幅寄せ
歩道側から乗り降りできる車が用意できても、まだ問題が残っています。
それが、車内から、歩道の縁石までの間にある隙間。
その隙間が、歩きづらい特性を持つ人にとって大きなプレッシャーになります。
縁石までの距離が半端だと、道路に着地するには高さがあり、縁石に足を引っかけて転倒するリスクと不安が生まれる。
かといって距離を取って駐車すると、今度は止めた車が車道にせり出て交通の邪魔になってしまう。
そんな不安と緊張が重なると、ますます体がうまく動かせなくなって、体力と精神が削られる悪循環。
そこで楽歩さん、こうひらめきました。
「縁石にゼロ距離まで幅寄せしたらええやん」
ということで、こちらが実際に楽歩さんが車を歩道側に幅寄せしている様子です。
動画出演:楽歩(みんらぼ) 動画制作:みんらぼ
ビタッと決まってます。すごい。
これでもまだ甘い方なんだそうです。
ちなみにワタクシ、この撮影のセッティングをする前に幅寄せした車の助手席から降りたんですが、車の床と歩道とがフルフラットな通路みたいで、何のストレスもなく降りることができました。
自覚してなかったけど、車と縁石の間の隙間って、実は自分にとっても結構なストレスだったんだと実感した事件でした。
車は身を守ってくれる“鎧”。傷付けることを恐れない
楽歩さんは十代の頃から積極的にハンドルを握っています。
細腕から繰り出されるドラテクは、明らかに一般的な人よりも遙かに高い。
だからね、僕つい言っちゃいました。
「これって、楽歩さんのドラテクがあるから出来ることですよね。車の運転が苦手な人は、車に傷付けるのが怖くて、ここまで攻められないんじゃないっすか」と。
そしたら楽歩さん、こう言いました。
「傷付けてええねん」
写真を撮り忘れてしまいましたが、楽歩さんの車には、歩道に近付きすぎてドア底を擦った傷や、スライドドアが開閉時に植え込みと接触して付いたひっかき傷がチラホラ。
我々「モノは大切にしないといけない」と言われて育ってきてるから、無意識にそういうところを怖がっちゃうんですよね。
でも楽歩さんにとって、「車は装飾品じゃなくて、身を守ってくれる鎧のような感覚」なんだそうです。
楽歩さん「無駄な数歩が一日の持久力や身体の痛みに跳ね返ってくる障害者の身には、笑いが止まらないほど快適いな方法♪だから多少ホイルやボディに傷を付けても、やめられません!幸い夫も、まったく車に興味なし♥」
あくまで車は道具。
傷つくことも道具の仕事のひとつ、と割り切った上で、ありがたく、大切に使うということなのですね。
まとめ
どれも今すぐできることではないかもしれませんが、例えば誰かに運転をしてもらう機会が多い方は、ドライバーの方に「縁石との間に隙間があると降りにくいの!」と伝えてみるだけで、日々のストレスが軽減されるかもしれませんね。
そんな訳で今回のチエワザをまとめると、
① 歩道側で乗り降りができるように、ベンチシートタイプの車を選ぶ
② 車内の床と歩道がフラットな通路になるように、縁石ギリギリに幅寄せする
③ 車は身を守ってくれる“鎧”。道具と割り切って、傷付けることを怖がらない
でした。
ふとした時に思い出して貰えると、うれしいです。
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この記事を書いた人
- 1985年生まれ。和歌山県出身。健常者。物忘れがやや激しめ。子ども時代の家族は、共働きの両親と共働きの祖父母、あまり動けない曾祖母と無駄に動き回る2人の弟達という、8人の小さなダイバーシティでした。趣味は工作。段ボールと木材は夢のカケラ。部屋作りも大好き。いつか家をDIYするんだ。あと、シンガーソングライターもやってます。ジムで本格的な筋トレも始めました。チャームポイントは大腿四頭筋と大胸筋。
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