もっさんが来る
みんらぼ代表のずずこ所長が大阪にやってきた。ちょっと遊びに来たのではない。住居を定め、移住してきたのだ。進撃の巨人の第一話的な、アレである。
所長は凄まじい速度で陣を張り、9月の上旬には『生駒ハウス』なるスタジオを構えた。それはもういい雰囲気のスタジオで、僕もほぼ毎日通っている。ここが巨人の胃袋の中か。
その生駒ハウスに、もっさんが来ることになった。少しばかり近所に用事があって、そのついでにやってくるのだ。日取りは11月後半である。びっくりしました、僕。何にって、一ヶ月も前から段取りするんだ、っていうことに。
未来の距離感
体の動かしづらさに関する障害がある人は、段取りの鬼であることが多いように思う。ずずこ所長も例に漏れない。車でどこを走っても、「ここGoogleマップで見た」という。自我を持って人類転覆を企むAIか。
もっさんからのメッセージにも、何日の何時ごろにどの辺にどうやって行く、という情報が、過不足なく端的に綴られていた。僕にはこれが、凄まじいことのように思える。だって僕、一ヶ月先の予定とか、立てられないのだもの。
これが僕の持つADHDという発達障害の弊害なのかどうかは分からない。とにかく僕は、それがどんなことであっても、ある一定以上の大きさの物事は認知するのが難しくなる。
例えば、カーナビや駅の周辺マップを見て現在地から目的地までのルートを割り出すことは容易い。シンボルになる構造物をいくつか設定して、それらをホッピングしながら目的地に向かうのだ。
しかし、東京が日本のどこにあるのかとか、今いる場所が大阪のどの辺か、というようなスケールになると、突然色々なことが曖昧になる。感覚的にピンとこないだけではない。どんなに地図を睨んでも、位置情報が頭に入ってこない。
これは時間軸という観点でも同じで、僕がある程度自分事として認知できる未来というのは、2週間がせいぜいといったところ。それも何となく会話ができる程度で、具体的なイメージを持って人とやりとりできるとなると、3日先くらいが精一杯だ。
だから、一ヶ月先の予定を綿密に組める人々が冗談でなくエスパーに見える。今回届いたもっさんからのメッセージの内容は、道ばたでアンティキティラ島の機械を拾った的な衝撃があった。いやそんな経験ないんだけども。
※アンティキティラ島の機械
アンティキティラ島近海の沈没船から発見された古代ギリシア時代の遺物。天体運行を計算するため作られた歯車式機械であると推定されている。(Wikipedia)
防衛戦線 in 生駒ハウス
まあ、さておき、さておきね。11月後半の某日にもっさんが生駒ハウスにやってくるということで、我々としてもせっせと準備を進めることになった。
何しろできたばかりのスタジオスペースである。壁のぐるりに手摺りは走っているけれど、それだけ。余計なものが無いのはいいことだけど、必要なものがないのはよくないことだ。
僕たちはスタジオの備品拡充という意図を主としつつ、もっさん到来をいい機会として、動き出した。椅子を買い、ディスプレイを設置し、もっさんが過ごす部屋の押し入れに全身骨格模型のスタン君を潜ませたのだ。
これでもっさんの1人や2人、いつ来ても大丈夫だ。腹が減ったと騒ぎ出したら、冷蔵庫に常備されている所長のキムチと納豆と生卵をありったけ口に流し込んでやればいい。
それでも黙らないようなら、適当なところで延髄にチョップをするなどして意識を喪失させているうちに、クローゼットを少し空けてスタン君に睨みを利かせてもらおう。瞼とか、ないんだけどね。
この記事を書いた人
- 1985年生まれ。和歌山県出身。健常者。物忘れがやや激しめ。子ども時代の家族は、共働きの両親と共働きの祖父母、あまり動けない曾祖母と無駄に動き回る2人の弟達という、8人の小さなダイバーシティでした。趣味は工作。段ボールと木材は夢のカケラ。部屋作りも大好き。いつか家をDIYするんだ。あと、シンガーソングライターもやってます。ジムで本格的な筋トレも始めました。チャームポイントは大腿四頭筋と大胸筋。
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